小説むすび | 仏陀伝

仏陀伝

仏陀伝

著者

渡邊亮

出版社

風詠社

発売日

2022年4月13日 発売

紀元前五世紀、十六の大国が争う古代インド。社会の急激な変革は古い神々の教えを揺るがせ、人々の心に虚無がはびころうとしていた。釈迦国の王子ガウタマ・シッダールタは虚無にあらがいながらも生きることの苦しみを悟り、国も身分も家族も捨て、苦からの脱却を目指す。長い修行の果てに“目覚めし者”仏陀となった彼は、全ての衆生の救済を志すー。古今東西の仏教研究・学説を下敷きに、シッダールタ=仏陀の誕生から入滅、それを彩る「虚無の太陽」プーラナら自由思想家、多くの弟子たち、反逆児デーヴァダッタ、釈迦国の滅亡、王舎城の悲劇、殺人鬼アングリマーラなどを新たな解釈で描き出す。
小乗仏教的志向と大乗仏教的志向の萌芽とその対立の中で、仏陀最後の旅を記した経典である大般涅槃経をなぞりながら、そこに隠された仏教分裂に至る原因と思惑を解き明かす最終章は圧巻である。人間仏陀の偉大なる生涯と挫折を描いた長編歴史小説。
第一章 四門出遊(しもんしゅつゆう)/第二章 梵天勧請(ぼんてんかんじょう)/第三章 初転法輪(しょてんぽうりん)/第四章 祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)/第五章 諸行無常(しょぎょうむじょう)/第六章 破邪顕正(はじゃけんしょう)/第七章 涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)/参考文献

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP