母 信子
「お前たちを殺すことはできない。俺の分まで生きてくれ」との、夫の別れ際のひと言に、今日まで背中を押されて生きて来た。
今でも去っていく……あの後ろ姿が忘れられない。
平成に入り、和子は84歳になった母信子を誘い、オホーツクへ旅に出る。そこで母は、堰を切ったように、満州の記憶を話しはじめる。
信子が娘に語った戦争の記憶をもとに綴られる、明治から令和まで5つの時代を生きた、4世代110年にわたる女たちの物語。
発刊によせて
『母 信子』関係図
主な登場人物
第一章 信子〈1〉
第二章 信子〈2〉
第三章 和子〈1〉
第四章 信子〈3〉
第五章 信子〈4〉
第六章 信子〈5〉
第七章 和子〈2〉
おわりに
参考文献