サラセイナ・さや
スウェーデン人の父と日本人の母の間に産まれたさやは、弟の孝一が医学部に入学したため、訳あって帰国した父に代わり、孝一の学費や仕送りのため、昼はデパートで夜は銀座のバーでホステスとして昼夜働いていた。一方の孝一はそんな母と姉の苦労を知り、学業優先の生活を送っていた。そんな時、同じ大学のゆきと出会う。彼女に好意を抱いたが先の事情もあり、学業とバイトの空き時間にしか付き合うことができなかった。そんな一家をコロナが襲った。度重なる自粛要請により昼夜の仕事も苦境に立たされていた。美しいさやに言い寄る男達の中でも年の離れた榊原に魅かれたのは、会えぬ父への憧憬からか?不倫関係であることに恐れを抱きながらも逢瀬を重ねるうちに榊原の娘が孝一の交際相手であることを知り、衝撃を受ける……。懸命に生きようとするさやを阻むように立ちふさがる壁、彼女は新たな人生を掴みとることができるのか。
第一章 ラブゲーム/第二章 プラトニックラブ/第三章 コロナ/第四章 虚飾の愛/第五章 未知への歩み