本書は、哈爾濱で生まれ九歳で引揚げてくるまで満洲の大地で幼年時代を過ごし、自分の目と体に強烈に刻まれた哈爾濱の景色と大地への想い、そして生々しい戦争の残像が消し難く、晩年になってそれらの想いを小説として書き残したものである。