その日まで、ぼくは教室の“幽霊”だった。誰にも話しかけられない孤独な高校生活を変えてくれたのは、前の席に座る同級生。謎めいた彼女の行動、校内で続く動物死体遺棄。穏やかで不安定な日々に隠された真実とはー
僕が小さなしくじりから、クラスの「幽霊」になったのは、7ヶ月前のことだ。--ある事件から、同級生の目に映らない存在として扱われ、話しかけられることもなくなった高校1年生の一居士架は、ある時同級生の高町から、一緒に文化祭の展示研究をしようと持ちかけられる。彼女の存在に救いを覚える架だが、高校の周辺で起きる動物虐待死の事件が2人の日々に影をさす。静謐な筆致で慟哭と驚愕を描き上げた、青春ミステリの傑作。 2016/05/29 発売