うどんキツネつきの
パチンコ屋の屋上で拾った奇妙な犬を飼育する三人姉妹の人生を繊細かつユーモラスに描いて第一回創元SF短編賞佳作となった表題作、郊外のうらぶれたアパートで暮らす、多言語の住人たちの可笑しな日々「シキ零レイ零 ミドリ荘」、十五人姉妹の家が立つ孤島を、ある日見舞った異常事態「母のいる島」、ウェブ上に出現した、謎めいた子供たちの日記から始まるシュールな冒険「おやすみラジオ」、ねぶたの街・青森を舞台に時を超えて紡がれる美麗な幻想譚「巨きなものの還る場所」の全五編。新時代の感性が送り出す、優しくて可笑しくて不思議な、家族と仲間の物語。