緩やかに衰退する“共和国”の生体兵器として造られ数百年にわたり、戦いと孤独を生き抜いた少女。彼女は、初めて“誰か”の為に願ったー緑化政策船団211隻、すべて、私が墜とす。黄昏ゆく世界を硬質な抒情で描く本格SF。
“共和国”の緑化政策船団の護衛のため、航空上の脅威となる人狗に対抗する生体兵器として生み出された対狗衞仕の員。数百年を戦いと孤独のうちに費やした彼女は、情報の涸れ果てた互聯網上を彷徨う中で、cyと名乗る人物に呼びかけられる。豊かな知識を所有する彼との対話に喜びを見出す員。だが、共和国が散布する細菌兵器の脅威が、cyに迫っていた。硬質な叙情に満ちた本格SF。 2016/07/28 発売