りんご畑の納屋のアトリエに眠っていた150枚の絵ーパリと津軽、戦中と現代…時空を超えて、もう一つの人生が今、芽吹いていく。芸術とは人間の愛とは人生の価値とは。著者2年ぶりの書き下ろし長編小説。
父が経営する銀座の骨董店が閉店し、そこで働いていた香魚子は自分の行く末や恋人との未来に不安を抱えるなか、ある画集を手にする。それは知られざる画家・上羽硯(ケン)の絵だった。その絵に衝撃を受け、津軽の地に飛んだ彼女を迎えたのは、ケンを慕う絵描き仲間の女性・フク。ケンの個展を銀座で開催するため奔走する香魚子であったが、ケンとフクの二人には、戦前からの“秘められた過去”があったー。実在の画家をモデルとした感動の長編小説。 2017/03/08 発売