死霊谷の呪い館
夭折した若者の死を悼む奇妙な霊前結婚の挙行される斎場-。そこに集まった三人の男女に真っ黒に塗りつぶした人型埴輪とテープの声が送られて来た。「約定を果してもらうときがやってきた。折鶴様の死に殉じるときが。三つ首塚にあやかれ…」。発信人は師京行人、死刑執行人の変名だ。そして、第一の犠牲者、銀座のバー『ラビリンス』のマダムが自室風呂場で首を吊られ、第二、第三と区行は続く。一方、ある青年が病院の一室でエイズのため死に瀕している。彼の死を目前にした懸念と、信州小諸在仙石家にまつわるおどろおどろしい約定の交差する点に浮かび上がる犯人は誰か?