京都氷室街道殺人事件
北山杉の茂る京都北郊の氷室で質素な身なりの十七、八歳の女性の死体が発見された。捜査本部の一員、魚津刑事は上司との折り合いが悪く、孤独な捜査と独自の勘で被害者の身元を探りだした。西沢奈々津は京都で就職しようとしていたが、その際すれ違った京都一のゼネコンの社長の連れと面識があるらしい-。魚津は相手がとても手に負えぬ大者がからんでいることから、かつて捜査合戦をして敗れた宮之原警部の登場を願わずにはいられなくなった。宮之原警部と魚津のコンビが明快な推理と積極的な行動で難事件を解決する書き下ろし長編旅情ミステリーの最高傑作。