ひとつの殺人が善良な人々の運命を次々に狂わせていく。問題作。気鋭の社会派女流作家が満を持して世に問う会心作。
今津章一は、半年前に発足した社史編纂室で、東方食品社長の杠忠造を中心とした社史を執筆することになり、重役たちの会合にも同席する機会が増えた。そんな折、大がかりな宣伝活動により、看板商品となった栄養食品「キャメラミン」の、栄養価に対する疑問を呈した文章が、出回っているという話を耳にする。清張作品としては珍しい企業サスペンス小説。 2018/06/12 発売