ある日、彼は同級生を殺した。時が経ち、わたしは彼と再会した。そして徐々に、気持ちが動いたー。罪を犯した人間はどう生きていけばよいのか。気鋭の作家が問いかける、少年犯罪のゆくえ。
ある事情からカフェでアルバイトをしている楓は、中学時代の同級生・正雄と再会する。正雄はカフェで使う家具を製作する工房で働いているのだが、かつて、同じ中学の同級生を殺害していた。「連絡をください」という正雄に楓の気持ちは揺れる。-楓が語る「現在」と、正雄が語る「過去」。それらが重なるとき、新たな世界が生まれる。少年犯罪を通して描く、命と旅立ちの物語。 2019/11/14 発売