魔杖追跡行
神道夢想流杖術をよくする若き武術家霧波秋彦と片倉麻里は、パリ帰りの令嬢新納深雪を護衛して北海道に住む祖母の家に向った。着いた途端、正体不明の暴漢に襲われ危うく撃退する。そこへまた護衛を連れた少女が現われ、自分が深雪だと名のる。どちらが本物か探ってゆくと莫大な遺産問題が浮かびあがってきた。強奪を図る黒幕に怒りの杖術が唸る。
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霧波は杖を逆手打ちで、加部重義の脳天に振り下ろした。躱される。と、筋肉質の男が、拳銃を構えていた。「杖を捨てな。これはイミテーションじゃないぜ、試してみるか」銃口が霧波の胸に向けられる。「卑怯だぞ」杖を逆手打ちで、男に手首に叩きつけた。男の手から拳銃が落ちる。「くそ、この野郎」手を伸ばして、拾おうとした男の水月に体をひねりざま、返し突きを入れた。「うぐーっ」男が前屈みに崩れおちる。仲間の野木がナイフを手にした男たちとやり合っていた。「ホーッ」霧波は怒りを込めて、杖を薙ぐ。-1千億の遺産強奪を謀る黒幕に神道夢想流杖術が怒りの挑戦!必殺の格闘技で敵の牙城に追る三闘士。 1988/05/01 発売