緒方洪庵 浪華の事件帳(1) 禁書売り 〈新装版〉
蘭学を志し、大坂の思々斎塾で勉学に励む緒方章(後の洪庵)は、師匠の頼みで御禁制である翻訳蘭学書の写本を買おうとする。だが、取引の現場で闇商いの本屋が殺されてしまった。狼狽する章の前に現れ、禁書が同心の目に触れぬよう救ってくれたのは、東儀左近という名の謎めく男装の麗人だったー。後に適塾を開き、幕末明治の大物を数多く育てた緒方洪庵。その青春時代に次々と降りかかる難事件。左近に導かれながら、まだ何者でもなかった若き日の洪庵が疾走する、傑作シリーズ第一弾!