緒方洪庵 浪華の事件帳(2) 北前船始末 〈新装版〉
謎めく東儀左近は、千年の昔から舞楽を奉じてきた由緒ある“在天楽所”の一族だと緒方章(後の洪庵)は承知した。しかも、“在天”は大坂の町の守り神でもあるという。北前船が運んできた“隠し荷”に悪徳商人が色めき立ち、欲得ずくの騒動を巻き起こす。左近一族が動くなか、脅威の天然痘が絡み、章も医学の徒として義心のもとに奔走する。一方で、まもなく江戸遊学を控える章の、持て余す左近への思いの行方はー。痛快無比、浪華の町を悪事から守り抜くほろ苦い決意を描く、傑作シリーズ第二弾!