小説むすび | 鳳凰の船

鳳凰の船

鳳凰の船

新時代、明治を迎えた函館。かつて洋船造りの名匠であった続豊治は、いまや一介の仏壇師としてひっそり暮らしていた。そんな豊治のもとを、若き船大工が訪れる。船談義を交わすうちに、豊治の胸が再び奮い立つ/「鳳凰の船」。函館港湾改良工事監督の廣井勇は、弁天台場の解体工事を躊躇していた。旧幕時代の英知を結集して造られた建造物の破壊に、痛みにも似た悲哀を感じとるのだった/「彷徨える砦」。北海道の地で、時代の狭間に生きる人々の機微を見事に掬いとった五編。第7回歴史時代作家クラブ賞受賞作。

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