破戊辰戦争風雲録
会津藩士・山本覚馬は幕末において、天皇を推戴する三権分立、国民の能力に応じた税の賊課、人材の教育、貨幣制度の確立と製鉄・商資本の育成など、今日でも立派に通用する日本のあるべき姿を述べている。もし、明治時代からの日本がそうした国造りを進めたのならば、軍閥政府は生まれず、アメリカのような国家となり得たのではないか。しかし現実には、会津藩は戊辰戦争で敗れたため山本覚馬の考えが日の目を見ることはなかった…。物語は、安政6年(1859年),三人の若者が会津藩に招かれたことから始まる。軍事担当の荒井竜之介、技術担当の相原勇次郎、そして財務担当の名代左馬之介。三人の協力を得て、富国強兵を計り、強固な奥羽越列藩同盟をめざす…。幕末から維新にかけての激動の時代を新しい視点で描く、新シリーズ。