潜水艦隊遂に征く(2)
源田実司令の発案ですすめられていた、紫電改を主力とする343空紫電改部隊が遂に編成された。先に始動している901潜以下の伊900型潜水艦部隊と合流することになる。インドネシア、フィリピンの輸送海路の保全のため、秘密基地ヤバ島から、南シナ海、セレベス海…へ、混成部隊が哨戒に出動する。折しも、米国が新型爆弾に成功し、輸送船でインドに輸送するとの情報を入手した源田司令は、三四三空の混成部隊に、この輸送船団の撃沈を指令する。そのころ東京上空は、中国から飛来するB-29の襲撃をうけていた。インド洋上では、米国輸送船団めがけ、空から紫電改部隊が爆弾を、海から901潜以下が魚雷を、集中砲火していた。
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「好きな時に魚雷を撃って好きな時に逃げられる」「あんな潜水艦だったら、いつかは乗ってみたい」開戦当初に解体された幻の艦がよみがえろうとしていた-。極秘の海底艦隊司令として迎えられたのは、誰であろう、あの源田実…。根っからの航空屋で飛行機乗りにとっては神様の予期せぬ就任。謎の司令のもと、第一次大戦時ドイツ海軍が造った南海の基地を秘匿の海軍工廠として改造、米太平洋艦隊との決戦準備が進められる。米駆逐艦を得意の高速戦法で撃破、初陣を飾った伊900型潜水艦隊。敵艦に追随を許さぬスピードで圧倒、混乱させ、仕留める-。これこそ源田実大佐究極の秘策、海底の絶体国防圏構想を完成させる日本海軍“最後で最強”の秘密兵器だったのである。 1995/06/15 発売
昭和19年6月20日正午、日本帝国は遂に連合国に対し無条件降伏する。2年7カ月に及ぶ太平洋での激闘に終止符が打たれた。しかしこの瞬間、終わらぬ戦いに身を投じた男達がいた。旧日本海軍軍令部直属の第三四三潜水隊を率いた源田実以下約3000の隊員達である。この男達のヤバ島潜水艦隊は、ボルネオの北方の秘密基地に、水中高速潜水艦伊号900型を温存し、新たな戦いに鋭気を養っていた。源田は、終戦の前日に、一早く海軍内部のヤバ島関係資料を焼却し、完全な秘密を保った。そして、源田以下3000名の男達は、日本国より独立を宣言し、今後、第二日本帝国を名乗ることにした。源田を中心にこの男達が計画しているのは、秘密基地と伊900型潜を使い、日本の敗戦とともに始まったアジア各国の独立運動の支援だった。 1995/10/15 発売