神変武闘女賊伝
はなやかに匂う大輪のボタンがしおれるように、三百年続いた「帝国」の寿命がつきた後の中華世界。国土は千々に分裂し、「律令(法律)」は失われ、悪鬼や化生の跳梁を押さえる道士の禁呪も効をなくした、何でもござれの妖しい時代の物語-。新興国家「迂漢」に反旗をひるがえす革命軍の青年首領、乱凌王は、妖異な母、九連玄女の戒めを受け、か弱い少女に変成させられる。そして、運命の糸がもつれるままに、迂漢の後宮におもむく。そこは、黄泉へとつながる怪異な世界だった。命の理はくずれ、生と死の境界が溶解した、トワイライトゾーンそのものだった。
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国土は千々に分裂し、「律令(法律)」は失われ、悪鬼や化生の跳梁を押さえる道士の呪禁も効をなくした、奇しき乱世の物語。屈強な若武者から、か弱い少女に変成させられた「半神仙」の遍歴譚-。強硬な軍事国家「北漠」の中枢部で、現の範疇をこえた、邪悪な事件が起ころうとしている…。人頭蛇身の妖異な母、九連玄女が手操る運命の糸に引き寄せられ、シャーフは「北漠」の首都へおもむく。そして、軍人と魔女の集団がくり広げている権力闘争に巻き込まれる。血風が渦巻く争い直中には、迷宮に封じられた太古の邪神、やみくもに「世の秩序」を呪い、滅亡の「混沌」を欲する蚩尤がいる。幾多の人命を糧として、蚩尤は今にもよみがえろうとしている。はたしてシャーフは、蚩尤の復活を阻止することができるのだろうか。 1996/12/20 発売