小説むすび | バトル・オブ・ジャパン(2)

バトル・オブ・ジャパン(2)

バトル・オブ・ジャパン(2)

昭和20年5月18日、サイパン島に地鳴りが響きわたる。米艦隊による艦砲射撃の凄まじき轟音であった。容赦のない鉄のスコールが日本軍に降りそそぐ。マリアナ諸島を守備する中部太平洋方面艦隊司令長官、山口多聞中将の顔色も冴えない。頼みの綱であった連合艦隊は、横須賀ですでに壊滅していた。孤立無援-それが、中部太平洋艦隊の置かれた状況であった。反撃もままならぬまま、同月21日未明、山口司令長官は唇を噛みしめ、サイパン島をあとにした。マリアナ諸島は米軍に制圧され、新たなる強兵の配備が開始された。それは、日本軍の誰も目にしたことのない、巨大な爆撃機であった。

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