小説むすび | 我が艦隊に誉れあり(新長官誕生)

我が艦隊に誉れあり(新長官誕生)

我が艦隊に誉れあり(新長官誕生)

著者

日向仁

発売日

1998年3月15日 発売

赤城、加賀、蒼龍、日本の誇る機動部隊がミッドウェーの波間に消える。ただ一隻、阿修羅の奮戦を続ける空母の命運も風前の灯火であった。「か、艦長はいるか…総員に退艦命令を…だ、出してくれ」空母座乗の第二航空戦隊司令官がもうろうとした表情で告げる。「うっ…おーい…俺の足を誰か羅針盤に…ううっ…縛れ。か、棺桶から流れ出したら…うっ…たまらんからな…た、たのむ…」かろうじてつぶやくと、重傷の司令官は意識を失った。「よーし今だ、司令官を運び出すんだ。いいか、しばらくは目を覚まさんよう安定剤を多めに打てと、軍医に言うんだぞ」艦長が大声で叫ぶ。司令官は屈強な男たちに担ぎ出されていった。時は流れ昭和19年10月、レイテ湾。九死に一生を得た男が大和に佇む。

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