さらば、帝国
1942年3月、台湾空襲に参加した極東米軍のB-17はあり得ないものを目撃した。単翼低翼で、機体は小さい。それは、メッサーシュミットBf109の勇姿!すべては、41年6月の「事件」から始まったのだった。世界を震撼させ、歴史の歯車を狂わせた「事件」…。陸軍大臣・東条英機はいらついていた。ドイツとの意思の疎通がはかれないのだ。駐独大使からも内容のある報告はなかった。ドイツ大使館に呼び立てられ、大使自らの出迎えを受けた東条に、正体不明の不安がこみ上げる。果たして東条を、そして日本の運命を左右するものとは?気鋭が斬新な発想で描く本格シミュレーション戦記。
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1942年3月1日、ルーズベルト米大統領は、驚くべきスピードで日本に対する宣戦布告を行なった。その衝撃は世界中に広がる。電光石火の早業に、日本は大混乱に陥った。強硬派と穏健派に分かれ、さらなる国内の混乱を呼ぶ。そのすべての元凶は41年6月、突如、世界を激震させたヒトラーの日本への亡命だった!42年2月、ヒトラーは帝国陸軍の幹部を巻き込み、自らの野望を果たすべくクーデターを画策するが、結局、東条英機らの活躍で、日本は危機を脱し、ヒトラーは焼死する…。しかし、ルーズベルトは戦争を欲していた!山本五十六は、長門の長官室で軍令部の無為無策に唇を噛みしめる。一方、キンメルは短期決戦を望む大統領の意向を受け、全力で決戦に挑む。マーシャル諸島沖、両軍の思惑をこえた激突の火蓋が、ここに切られる。 2000/04/25 発売