漆黒の艦隊(2)
ハワイ沖で夜間攻撃により、太平洋艦隊を壊滅させた南雲艦隊-。次に待ったいたのは、牛刀をもって鶏を割くに等しい南方作戦だった。今や南雲艦隊の司令塔となった森参謀長は、自分なりの抵抗を試みる。が、インド洋で英東洋艦隊相手に夜間攻撃を敢行後、森は艦を下りることとなり、南雲艦隊は「漆黒」の名を返上してしまった。さらに優位性を失った機動部隊に、大いなる試練が待ち受けていた…。昭和17年夏、戦争の焦点は南太平洋の小さな島、ガダルカナルに移る。矢面に立つのは、歴戦の強者たちが揃うラバウル航空隊であった。本格的なアメリカ軍の反撃に、善戦もむなしく苦境に立たされる陸攻隊。次々と火を噴く一式陸攻を森は最前線で見上げる。新たなる策を持ってラバウルへ乗り込む航空決戦篇。著者渾身の第二弾。
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海軍省教育局に出世の遅れた大佐がいた。彼の名は、森昌彦。相手が間違っているなら、たとえ上司であろうとひるまず意見する姿勢。みなに煙たがられてきた男に突然、第一航空艦隊参謀長のポストが用意された。山本五十六連合艦隊指令長官より立案を依頼されたハワイ真珠湾攻撃計画。GF航空参謀の源田実中佐が、森の類まれなる頭脳に賭けたためである。猛訓練中の赤城に着任した森は、航空に関しての経験ゼロにもかかわらず、早くも機動部隊の弱点に気づき、一つの結論にたどりついた。母艦部隊を夜間攻撃の専門部隊とすること-。さらに真珠湾の攻撃を奇襲ではなく、強襲にすることを提案した。新参謀長の奇抜な構想は山本らGF上層部に受け入れられるのか?そして、ハワイ作戦の行く方は…。著者、渾身の架空戦記、刊行開始。 1999/12/25 発売
ガダルカナル島撤退以降も、ソロモン諸島の攻防は激化の一途をたどる。再び小沢中将の下、参謀長に返り咲いた森は、夜間部隊再建に乗り出す。勢いづく連合軍を迎え撃つには、機動部隊による漸減作戦しかない。幾度となく繰り返される海戦で、森の計画はそれなりの成果を収めていくが、艦隊の損害も徐々に無視できぬほど大きくなりつつあった。これまで森の夜間作戦に苦しめられてきたアメリカ側も、次第にそれに対応しうる力を身につけ始めていたのである。ついに、戦場は-日本の絶対国防圏-マリアナ諸島へと移った。マリアナへ迫りくるスプルーアンスの大艦隊。背水の日本海軍、そして森はいかなる戦いを挑むのか?“漆黒艦隊”史上、最大の激闘!感動の完結篇。 2000/09/25 発売