小説むすび | 第二次宇宙戦争

第二次宇宙戦争

第二次宇宙戦争

「タ、ターレット?櫓か?」土煙の中から姿を現わした巨大な櫓にドイツ兵は驚愕する。「や、やつら、火星人の兵器を手にしやがった!」オーストリア=ハンガリーの皇太子暗殺に始まった戦争の火花は、欧州にとどまらず、今や世界中に広がっていた。後世、世界大戦の名で呼ばれる戦はすべての規模で桁違いだった。むろん、兵器は言うに及ばずだ。それでもドイツ兵が見上げた兵器は、あまりにも異形であった。三本の脚で支えられた櫓。三脚とは別に金属の触手が無数にうごめく。十四年前、突如、地球に侵攻してきた火星人の兵器をイギリスは手にしていた。第一次世界大戦は一九一八年、ドイツの降伏によって終結する。が、それは混沌の時代の始まりでもあった…。

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