小説むすび | 流れ雲

流れ雲

流れ雲

浅草駒形町の船宿で船頭を生業にする小佐々銑十郎。二年前まで肥前大村藩の勘定方から近習を務めていたが、ひとつの失態が、実父であり筆頭家老の逆鱗に触れ、お役罷免となり勘当を言い渡された。妻子とも別れ、浪々の身となった銑十郎は、旧知の札差・大黒屋籐兵衛の計らいで下町に居を構え、籐兵衛が持ち込む萬請負をやっていた。家出人の連れ戻しや、町に巣食う無頼人を叩き出す見事な手腕を見せる銑十郎だったが、兄分の仇と恨む無宿人が、虎視耽々と彼の命を狙っていた…。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP