小説むすび | エセ物語

エセ物語

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てんでんこな言葉遊び、饒舌きわまる文字もじり、けれど真剣この上なく、無限の繰り言が日本語の原郷を、東アジアの無意識をあぶり出す。ジョイスと柳田、モンテーニュと易経が哀野のユートピアに出会い、死者の言葉を結んでは開き、継いでは重ね、天地のコトワリをめぐらせる。日本語の幽霊的宿命がエコーする室井文学の未完の遺作、易占トリックで最高に文学的な寓話、空前絶後な試み(エセー)の物語。
一の巻

《甲子》むちゃくちゃティーパーティー
《乙丑》夜明けの晩に
《丙寅》上下を脱ぐ
《丁卯》キンセンにふれる
《戊辰》蝕言
《己巳》ある蜥蜴の探究
《庚午》断片プロレタリアート
《辛未》うしろを強くするということ
《壬申》三寸オペラ
《癸酉》一巻の終り
《甲戌》二の舞
《乙亥》衣衣

二の巻

《丙子》おらおらでてんでんこにいぐも
《丁丑》若菜
《戊寅》手習い
《己卯》野分
《庚辰》追風用意
《辛巳》総角
《壬午》三寸
《癸未》夕顔
《甲申》ゴドーとバッコ
《乙酉》千不当万不当
《丙戌》ムカゴランド
《丁亥》アイノカゼ

三の巻

《戊子》後人追和
《己丑》復水、盆に返る
《庚寅》[思わずうつってしまう……]
《辛卯》口裏合わせ
《壬辰》幻
《癸巳》雲隠れ
《甲午》ヤドリギ
《乙未》橋姫
《丙申》苦手
《丁酉》ニガデ
《戊戌》ウタカタ
《己亥》心ゆくもの

後記

編集協力 川口好美
装丁   高林昭太

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