小説むすび | 猫は笑ってくれない

猫は笑ってくれない

猫は笑ってくれない

出版社

ポプラ社

発売日

2018年9月7日 発売

「喪失を描く」のはありきたりかもしれません。
でも、どうかこの小説を読んでください。
「ありきたりな喪失」なんてひとつもないのです。
ーー作家 西加奈子

意味のない人生。
思い出に生きようか。
さよならに生きようか。
ーー俳優 松山ケンイチ

かつてともに暮らした猫を看病する、元恋人同士の2人。
愛猫の看取りを通し、愛の苦みと望みを描く傑作長編。
気鋭の映画脚本家による初の小説。



映画監督の女と、脚本家の男。
自分たちの恋愛は、映画をつくるようにはうまくいかない。

ソンは俺の知らないものを、たくさん持っている。
ソンに言葉があったら、聞きたいことが山ほどあるのだ。
一緒に暮らしていたときの、俺がいない時間の漣子を知っている。
俺と別れて一人になった漣子の隣にいたことがある。
そして宮田さんとの新しい生活を経験している。
それなのに、ソンはすべてを持ったまま、無言でどこかに行こうとしている。
そのうちのひとつでもいいから、知ることができたら。
(本文より)



<著者略歴>
向井康介(むかい・こうすけ)脚本家。1977年徳島県生まれ。大阪芸術大学卒業。脚本を手掛けた作品は、「リンダリンダリンダ」「マイ・バック・ページ」「ふがいない僕は空を見た」「もらとりあむタマ子」「陽だまりの彼女」「ピース オブ ケイク」「聖の青春」など多数。本作が初の長編小説の執筆となる。

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