ヒカリノオト
大ファンだったアーティストの担当になったものの、努力が結果に結びつかず苦悩する若手レコード会社社員、上司の期待に応えようとするあまり、知らないうちに心身を壊してしまった40代手前の女性、久しぶりの恋の予感にときめくカメラマン、合唱コンクールで伴奏と曲のアレンジを任された女子高生、海辺の町のリサイクルショップで壊れた物を修理し続ける男性ー。時に慰め、時に励まし、彼らの人生の岐路に寄り添っていた一つの曲が、場所や時間を超えて広がっていく奇跡を、ミュージシャンとしての経験を持つ著者がみずみずしく描いた連作短編小説。