ようこそ瑕疵ある世界へ
謎の怪奇事件に巻き込まれる学生たち。
変わり者の心理士が真相に迫る「臨床心理学×ホラーミステリー」
ーー僕、怪異譚は好きだけど、
臨床の現場に出ているときはすべてを信じないよ。
なんとしてでも理屈をつける。
科学に基づかない医療は危険でしかないからね。
星森大学心理学部臨床心理学科の教員、佐伯翼。
趣味で怪談を蒐集する変わり者。
佐伯ゼミの学生である多度結良と沖山修一が、
謎に満ちた怪異事件に次々と巻き込まれ……。
心理学の知識とカウンセラーの観察眼で、不可思議な事件の謎を看破する。
結良はボランティアで参加した施設で「山で幽霊を見た」という
女子高生と出会う。女子高生の心の傷、
そして“幽霊”の正体とは?(--秘密)
「毎晩この部屋で亡くなったおばあさんが現れる」と怯え、
引きこもりになっている大学生。
“心理的瑕疵物件”であるその部屋には
すべてを覆す「嘘」が隠されていた。(--優しい嘘)
7つの連作短編、
そして最後に明かされる恐怖とはーー。
現役の大学教員であり、怪談蒐集家が描く
臨床心理学×ホラーミステリー、ここに開幕!
◎プロローグ 部屋から出られない男
◎ドッグカウンセラー
◎秘密
◎優しい嘘
◎夕焼け恐怖症
◎心理学に興味があって
◎死なない友人
◎ひと夏の思い出
◎エピローグ ようこそ瑕疵ある世界へ
◎著者あとがき 心と怪異