奇書三国志
時は2世紀半…世界がいまだ伝説の帳に包まれていたころ。劉備は早春の残雪の中で、伏し倒れていた娘を助ける。娘の名は劉桃花。この出会いが歴史の流れを大きく変えることになる。炎のように漢朝を呑み込み始めた新興宗教黄巾党に対して、敢然と立ち上がった男たち-劉備、関羽、張飛、曹操。そしてもう一人、劉桃花。戦いは熾烈を極め、劉備は謎の道士の呪詛によって命を落とす。怒りに燃えた桃花は龍気を発散し、死して悪霊と化した黄巾党の首領張角を倒す。そして劉備として、兄の志を継ぐことを決意する。ここに赤龍の血を引く桃花の数奇な運命の幕があく-。