サイレント・ファイア(1)
西暦2001年。中ソ間で勃発した悪夢のような熱核戦争は、地球上に存在した全ての国家機構を壊滅させた。次代の支配者として人々の上に君臨したのは、荒廃した地表から軌道上へ脱出した、複数の財閥を中心とする超国家企業“デウス”だった。彼らは地上から乏しい資源を吸い上げ、人工のパラダイスの中で享楽に耽っていた。残された人々は、頭上に羨望と憎しみのこもった視線を投げつつも、必死に生きていた。しかし、その〈神に見捨てられた地〉地球の上を、何ものにも束縛されず風のようにさすらう一人の男がいた-。近未来を舞台に一人の謎の男と軌道上の超国家企業の死闘を描く、SFハイパーアクションロマン。
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中ソ間の熱核戦争によって、無人の荒野と化した北米大陸。その中央部にある小さな街、デザート・シティ。そこには、軌道上に電力を送るための巨大な螺旋形の塔が建設されつつあった。隅然、砂漠の中で酒場の女主人マギーを野盗の群れから助けることとなった〈バイロン〉は、タワー建設によって“デウス”に取り入ろうとする日系企業ラコム社と中国系マフィアのボス、ジョニー・ウォンとの争いに巻き込まれていく。おりしもバイロン抹殺の使命を帯びた美貌の女スーザンも、彼を追い軌道上からこの街へと向かいつつあった-。愛と欲望の渦巻く街を舞台に、一人の男と軌道上の超国家企業の死闘を描くシリーズ第二弾。 1991/01/01 発売
バイロン抹殺のため“デウス”の敢行した軌道上からのレーザー攻撃は、瞬時にロスヴィオスの街を壊滅させた。間一髪シャトルで脱出したバイロン達だが、彼らを乗せた船は、船内で対立するブレイン、ラングトン、ファレルの思いをよそに、何者かに操られ軌道上に浮かぶ“デウス”の本拠地ディープ・ムーンへと加速しつつあった。時を同じくしてディープ・ムーンの中枢ともいうべき集中管理システム「ミダス」が暴走をはじめ、コロニー各所の端末ディスプレイには、「BYRON」の5文字が狂ったように明滅していた-。巨大なコロニーを舞台に自らの過去と対峙するバイロンの凄絶なバトル、待望のシリーズ完結編。 1991/10/01 発売