超・空挺砲艦「火龍」(3)
「空の要塞・B17」の出現に衝撃を受けた帝国陸軍が、苦難の末に完成させた四発高速重爆があった。「火龍」である。機体の頑強さを利用し、対地対艦攻撃用に重火器を搭載した「空挺砲艦」は、改良型「三式重襲撃機」に至り脅威の進化を遂げた。この「超・空挺砲艦」は緊急出力1万馬力超のパワーが生む高速性と、戦闘機の火力では撃墜困難な重装甲で、敵重巡をも撃ち抜く火力を備えていた。「超・空挺砲艦」は、海軍の「特型陸攻」、反跳爆撃で対艦戦闘に猛威を振るう「火龍改」と並び、米空母機動部隊を攻撃し、多大な戦果を挙げる日本軍の航空戦力の要となった。米軍はこの「火龍一族」を殲滅すべく、急遽“火龍殺し”の「ガン・スリンガー」を開発した。B17の出力を強化し、大口径機関砲を多数搭載した空挺砲艦である。究極の進化を遂げた日米の「空の要塞」が激突、マリアナ沖で殲滅戦を繰り広げるが、最後に勝ち残るのは果たして…。