村上春樹『1Q84』の性表出
「ホモエロス…」男女のセックス・シーンのない「物語」の記号としての性表出とは、どのようなものだったのかを『1Q84』を通して徹底的に分析する!
村上春樹は、雑誌「幻想文学」3号(1983年)のインタビューで、「ノーマン・メイラーがね、これからの文学においてはセックスが、最後に残された可能性だって言ったけれど、いまやセックスといったって、なんにも無いですよね。(中略)だからこそもう一度、原点に戻って“おはなし”の世界にいきたいという気がするんですよ」と語っていた。
この「物語」の記号としての性的表出を、『1Q84』BOOK1という「物語」に拘泥して論じたのが本書である。
1 「音」
1 登場人物名の謎
2 男性性の青豆あるいは「菊の契り」
3 「1Q84」の謎
4 男性性の青豆あるいは二つの月
5 アメリカで「ゲイ」のイメージを纏った村上春樹
6 男性性の青豆あるいは「背後のイメージ」
7 村上春樹の「物語」あるいは「リトル・ピープル」
2 「記憶」
8 天吾の年上のガールフレンド
9 村上春樹の「物語」あるいは「物語」の「自然」
10 村上春樹が物語る「十歳」の秘密
11 天吾の最初の記憶
12 「天吾」という名前あるいは出生の秘密
3 「耳」
13 「物語」作家としての村上春樹
14 村上春樹の「十歳」の秘密あるいは「永遠回帰」
15 「物語」の音楽性あるいは「ひらがな」
16 村上春樹の「物語」における「耳」の謎
17 村上春樹の女性嫌悪
4 「物語」
18 『星の王子さま』の蛇の謎
19 蛇あるいは村上春樹の「物語」の構造
20 「物語」における父親の処罰あるいは村上春樹という「永遠の少年」
あとがきにかえて