はつ恋はミルクホールで
時は大正十一年。ミルクホールと探偵小説をこよなく愛する新華族の令嬢・織江は、ある日父から突然、婚約話を聞かされる。お相手は、真面目で口うるさい幼馴染みの稲葉奎吾!?織江は納得できず、相談相手の伯爵夫人のもとに赴いたところ、そこで妖美なる青年、清重と出会う。一方その頃、帝都では令嬢の髪が切られる不可解な事件が続いていた。噂によると、犯人は鋭い鉤の手を持つ「鉤男」で、髪を切られた令嬢は三日後に殺されるという。友人までもが髪を切られじっとしていられない織江は、一人で犯人退治に乗り出すのだがー。