東の魔女のあとしまつ(1)
「14年後、勇者レイノルドに殺される」
不完全な予知能力だけが取り柄の魔女・アデルは、ある日こんなとんでもない予知夢を視てしまう。
弟子たちと相談したアデルは、少年時代のレイノルドを攫い、徹底的に甘やかして育てることで、予知を回避することに。
しかし、騙して攫うはずが、結果的に彼を不遇な環境から救ってしまう。
さらには、その際、痺れ薬を顔に浴びたことにより、表情が動かなくなり、喉からは囁き声しか出なくなってしまった。
お調子者ではったり頼りのアデルが、見た目だけはミステリアスで儚げな魔女になったことにより、レイノルドは彼女の言葉や態度を深読みして、どんどん心酔していくーー。