純情浪人朽木三四郎(仇討ち兄妹)
体面ばかりの武家勤めに、不満を持っていた、美濃恵那藩士、朽木三四郎。神君家康公から、下賜された茶碗が割れていた事故の罪を負い、藩を離れ千住宿で寺子屋を始めた。宿場の縄暖簾「小春」の若き女将、おはるや娘おさとたちとの人情あふれる生活に、人生の喜びを見出してはいたが、兄から帰藩を勧められ心が揺れ動いていた。そんなある日、兄妹に父の仇と間違われ三四郎は斬りつけられる。がしかし、その境遇に同情し仇を探す手伝いを始めると、事件は意外な進展を見せる「仇討ち兄妹」。他全四編を収録。人気シリーズ第2弾。
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「たとえどのような御方からの下され物であれ、茶碗は茶碗ではないか…」体面ばかりが重んじられる、武家勤めに不満を持っていた美濃恵那藩士朽木三四郎は、藩主、長山影綱の催した茶会で、神君徳川家康公から、下賜された茶碗が割れていた罪を自ら負い、藩を離れた。そして、日光街道、水戸街道への江戸から最初の宿場である。千住宿にやって来た。新たに寺子屋を始めた朽木は、縄暖簾『小春』のおはるや娘おさと、そこに集う岡っ引の治平、新吉親子らの人情あふれる市井での生活に、本当の人生を感じ始めていた。そんなある日、教え子が水死体となって発見されるという事件が起こった。 2008/09/27 発売