それから、君にサヨナラを告げるだろう
「君を苦しめるどんなことからも、守ってあげたかった」クラスにうまく馴染めない冬香にとって、幼なじみのハルはかけがえのない存在。何度も冬香を救ってくれる彼は、ある日、信じられないことを口にする。「俺、冬香の心が読めるんだ」怖くなった冬香はハルの手を振り払ってーハルは姿を消してしまう。数年後、再会した彼は昔とかわらない笑顔で、みんなの人気者だった。だけど彼が抱えていたものは、とてつもなく残酷でー。次々と明かされていく、胸が張り裂けるほど切ない過去。傷を抱え、もがきながら手繰り寄せた真実が、最後に奇跡となって降り注ぐ。