小説むすび | 風月綺

風月綺

風月綺

出版社

KADOKAWA

発売日

2005年2月10日 発売

暴力と権力がはびこる’70年、中国。上海は秘密結社・侠客党の手で護られていた。が、文革の嵐にまぎれ、南の紅花党が振興を開始。闇社会もまた、混乱していた。「俺を指名しして来た奴を。…殺したのか」悲しげに問うた男の名は、侠客党の若きエリート・風箔。絶世の武芸と冴えた頭脳をもちながら、人を殺せなくなった青年である。「敵の数は、減らせるときに減らす」刃物のような声は、上司の探刻。風箔の心の傷を分かち合う美貌の友。「まだ、殺せぬか。私はもう…顔も思いだせん」探刻は風箔に手を汚す必要のない仕事を命じる。党のパトロンの洋館へ行き、財宝のありかを示す暗号を解けというのだ。相棒は、妙になまいきな少女・選杯。一見平穏な任務に見えたがー。上海の闇の中、蒼き狼は胸を疼かせ真実を追う。第4回富士見ヤングミステリー大賞最終選考作。

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