どこにも行く場所がなく、そしてどこかに逃げたいと思っていた。そんな13歳の二人の少女が出会った。リアリストの山田なぎさと不思議系転校生の海野藻屑。すべては生きるために、生き残っていくためにーー。
ある午後、あたしはひたすら山を登っていた。そこにあるはずの、あってほしくない「あるもの」に出逢うためにーー子供という絶望の季節を生き延びようとあがく魂を描く、直木賞作家の初期傑作。 2009/02/25 発売