世尊寺殿の猫
【第14回日本歴史時代作家協会賞】
◉新人賞受賞!◉
「ここ数年の歴史小説のなかでも、傑出した深さと輝きをもった秀作」
三田誠広選考委員長 絶賛!
〈選評〉(三田誠広氏)よりーーーー
「アグニュー恭子『世尊寺殿の猫』は驚異的な作品だ。
深い謎を秘めたミステリーでありながら、胸のうずくような青春を描いた恋愛小説でもあり、史実を踏まえた歴史小説でもある。
さらに、琵琶法師の語りや白拍子の舞や書家の名筆が関わった芸術小説でもある。
そしてすべての謎を解く鍵は猫だ。
これだけの魅力を盛り込んだ歴史小説は他にない」
鎌倉時代末期、十六歳の足利高国(のちの直義)は、
書の名人・世尊寺殿の手蹟を入手するよう母に命じられる。
目当ての猫と引き換えに書を渡すと言う世尊寺殿。
高国は彼の真意を探るべく京に旅立つーー。
書をめぐる謎と静かな権力闘争の中、
若き日の足利直義が野望に覚醒する!
一、花橘
二、粽
三、鵼
四、矢神
五、玉章
六、月
七、姨捨山
八、更級
九、侍従の大納言
十、鳥辺山
十一、猫
十二、夕顔
十三、玉鬘
十四、入木道
十五、忍子
十六、宿願
十七、太刀の緒
十八、出立
十九、梅香
二十、花洛
二十一、墨染
二十二、連枝
二十三、才
二十四、乳母子
二十五、附子
二十六、徒言
二十七、祇王
二十八、蛇
二十九、黒猫
三十、南泉斬猫
三十一、芥川
三十二、真相
三十三、墨壺
三十四、餞
三十五、世尊寺殿の猫
三十六、決断