世尊寺殿の猫
鎌倉時代末期、十六歳の足利高国(のちの直義)は、書の名人・世尊寺殿の手蹟を入手するよう母に命じられる。目当ての猫と引き換えに書を渡すと言う世尊寺殿。高国は彼の真意を探るべく京に旅立つーー。書をめぐる謎と静かな権力闘争の中、若き日の足利直義が野望に覚醒する!
一、花橘
二、粽
三、鵼
四、矢神
五、玉章
六、月
七、姨捨山
八、更級
九、侍従の大納言
十、鳥辺山
十一、猫
十二、夕顔
十三、玉鬘
十四、入木道
十五、忍子
十六、宿願
十七、太刀の緒
十八、出立
十九、梅香
二十、花洛
二十一、墨染
二十二、連枝
二十三、才
二十四、乳母子
二十五、附子
二十六、徒言
二十七、祇王
二十八、蛇
二十九、黒猫
三十、南泉斬猫
三十一、芥川
三十二、真相
三十三、墨壺
三十四、餞
三十五、世尊寺殿の猫
三十六、決断