強制疎開で母親の実家がある地方の町に移り、時代は旧制中学から新制高校にかわる。一身に家族を支える母に交際を知られ泣く泣く別れた彼女との三十年後の邂逅、苦しい時代を支え続けた思い出の品を通して戦後の昭和を描く表題作はじめ、全四作。