土佐七色紙
紙漉きの里の謎
土佐紙漉きの山村を、碩学壽岳文章夫妻の跡を追って訪ねる。と、歴史の闇のなかから、思いがけない人、物語が次々と現れて来る……。
四国を舞台に筆を振るって来た作者ならではの、工夫を凝らした意欲作である。
季刊文科コレクション
「戦乱の世に奇跡のように生み出された美」と言える土佐七色紙は、徳川時代には将軍家への献上品となっている。だが、その創製者養甫尼(ようほに)の名は発祥の地の碑文にもない……。
序文
一 成山村仏が峠
二 国虎次男探索 ─ 第一の帳面〔森木謙郎しらべがき〕
三 「安喜喜代香を問ふ」 ─ 第二の帳面〔安芸義清しらべがき〕
四 養甫尼抹消 ─ 第三の帳面〔青木幸吉しらべがき〕
五 躑躅の木の下
引用、参考文献
あとがき