廃園
私を死へと誘い、死を予感させる
花の精、花の香、花の色
それは美しく、妖しげに揺れる業火
妖花が悪夢を呼び……退廃の美へ
その時私はあっと声を上げた。荒涼とした風が沸き起こり、丘の上に広がる空の闇が布のように二枚にめくれ、大きくはためいて揺れた。そしてお互いに包みあうように丸まり、私を飲み込もうと覆いかぶさってきた。それは巨大な食虫花の漆黒の花弁だった。
私を死へと誘い、死を予感させる
花の精、花の香、花の色
それは美しく、妖しげに揺れる業火
妖花が悪夢を呼び……退廃の美へ
その時私はあっと声を上げた。荒涼とした風が沸き起こり、丘の上に広がる空の闇が布のように二枚にめくれ、大きくはためいて揺れた。そしてお互いに包みあうように丸まり、私を飲み込もうと覆いかぶさってきた。それは巨大な食虫花の漆黒の花弁だった。