山本五十六の野望(1)
伏見宮博恭王・元帥から厳命され、連合艦隊司令長官を続けることになった山本五十六は、井上成美の“苦言”に蒙をひらかれて「ハワイ作戦」の陣頭指揮を決意する。それは、開戦劈頭、連合艦隊麾下、主力空母の大多数を率いてハワイ近海まで押し出し、米海軍艦艇の居並ぶ真珠湾に“航空波状攻撃”を敢行するというものだった。徹底攻撃を決意した山本は、最先端兵器・対空レーダーを搭載する「大和」に座乗、空母7隻を擁するハワイ空襲部隊を編成する。そして昭和16年12月3日、米国民の戦意を徹底的にくじくべく、真珠湾へ向けて巨大戦艦「大和」が出撃する!
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ルーズベルト大統領には秘策があった。チェスター・W・ニミッツの起用とニューディール政策による真珠湾の復旧だ。太平洋艦隊長官に就任したニミッツは、その期待に応えて真珠湾の早期復旧を成し遂げる!そしてニミッツは反撃の機会を虎視眈々と窺い、まずは東京空襲を敢行、サンゴ海でも帝国海軍に痛撃を喰らわせる。いっぽう帝国陸海軍は南方資源地帯を次々と攻略、山本の眼はいよいよミッドウェイへ向けられた。しかし暗号解読でこれを察知したニミッツは、全空母を動員して、山本五十六にひと泡吹かせようともくろんでいた。新型レーダー搭載の「大和」は味方空母を救えるのか!?ミッドウェイ沖で大海戦が生起する! 2020/02/18 発売
ミッドウェイ環礁の北西にはキュア島(クレ環礁)が在る。ハワイ攻略の信念を持つ山本五十六は、同島を、ハワイ占領のための「秘密基地にしてやろう!」とひそかに計画していた。一方、ミッドウェイでの敗戦を認めたチェスター・W・ニミッツは辞意を伝えるが、ルーズベルト大統領はそれをゆるさず“究極のハワイ防衛策”を彼に明かす。これで辞意が一気に吹き飛び、ニミッツは日本に匹敵する空母をそろえ、新型戦艦をも動員してのハワイ防衛策を計画。対する帝国海軍も「武蔵」が竣工。砲撃戦の役者は出そろった。はたして山本は、大統領“究極の防衛策”を打倒し、野望をかなえることができるのかー。 2020/05/19 発売