大切な人を失い、痛みに堪えて生きる主人公を描く表題作や、交通事故に遇い再起不能と思われた男が一人の女性の出現によって立ち直っていく姿を描いた『蕎麦の花』など、折々の作句が強い彩りを添える、著者渾身の短編集。