【POD】小説 継橋の約束:万葉集を彩った美女・真間の手児奈の物語
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ー私、とても幸せでした。身麿さまを知ってから、ずっと。-
76歳の身麿は完成したばかりの真間の継橋を渡り、その喜びと感動を感じていた。この真間の地に立派な橋を架けることこそが彼の長年の夢だと知っていた身麿の息子・麻呂は、完成した橋をじっと眺める父からある話を聞く。それは、かつて彼がこの橋の完成を約束した、ある少女の話だった。--「万葉集」において、山部赤人や高橋虫麻呂らによって歌が詠まれている美女、手児奈(てこな)。その美貌から様々な逸話が残されている手児奈だが、本書はそんな彼女を巡る美しくも儚い愛の物語を瑞々しい筆致で書き綴った古代ロマンス小説である。
[目次]
継橋の完成
真間に国衙を
狩の朝
恋心
刺客
手児奈の夢
人間模様
暗雲
都をはなれて
手児奈の入水
著者略歴
[担当からのコメント]
日本には、その地域に根づいた逸話や伝説などが数多く残されていますが、本書のテーマとなっている「真間の手児奈」もその一つです。古代日本の空気を感じつつ、いつの時代も変わらない人間の愛の尊さを本作から感じ取っていただければ嬉しく思います。
[著者略歴]
中津攸子(なかつ・ゆうこ)
東京都台東区浅草に生まれる・東京学芸大学卒・日本ペンクラブ会員・大衆文学研究会会員・俳人協会会員・竹早教員養成所講師・NHK文化センター古典講師
著書『万葉の悲歌』『かぐや姫と古代史の謎』『戦国武田の女たち』『万葉集で読む古代争乱』『小説松尾芭蕉』『天平の望郷歌』(以上新人物往来社)『ジュニア版 市川の歴史』(市川よみうり新聞社)『こんにちは中国』(器書房)『葛飾を歩く』(NTT出版)『インドネシア旅行記』(市川市メダン市姉妹都市協会)『観音のあるまち行徳・浦安』(中山書房)他。