今を、明日を…、あえて激琉に身を投げ出し生きようとすれば、痛みの過去が男たちにのしかかる…。
プロカメラマンを目指す友成勝人は戒厳令下の北京に単身のりこんだ。自由と民主化を求め天安門広場に集う学生たち。彼らの姿をカメラで追う友成に黄という青年が弟子入りを志願し、自分の祖父が日本人だと打ち明ける。八路軍に加わり抗日戦争を戦った祖父が苦渋に満ちた過去を語った翌日、天安門広場には戒厳軍戦車の前に立ちはだかる老人の姿があった…。(表題作)。中国への熱い思いを描く六篇。 1993/09/15 発売