小説霊感商人(下)
偽装の神がかりは成功し、ニセ生き神様の新興宗教は、日に日に教勢を拡大して行く。本当の宗教は釈迦とキリストにまかせておけとばかりに、次ぎ次ぎに打ち出される霊感商法の名アイデア。年商100億円-。すべて虚構の上に築かれた宗教のはずなのに、なぜ人は救われ、教団はゆるぎない存在になっていくのであろうか。教団、永遠不滅の証左として、武蔵野の一角に、大伽藍が建立されようとしていた。自らの野望のために恋も人情も捨てる宗教商人の壮絶な生涯。改めて宗教とは、救いとは、信仰とは何かを問う大河ドラマ。