筏
徳川末期の経済政策の波に揉まれながら商圏を拡大してゆく近江商人の意気盛んなさまを描写。第9回野間文芸賞受賞。
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筏筏
蝦夷に商圏を広げようとする近江商人の物語 「東の地の適する産物を、西に運び、西の地に適する産物を、東に運びますれば、それぞれの地に最も適する産業が発達致します理でございまして……ところが、この蝦夷の地と申しますは……この広大な土地が殆ど白紙のままに残されているのでございます。」 近江商人の家に生まれた藤村与右衛門、孝兵衛の兄弟が、江戸末期、経済が混乱するなかで未来を切り拓いていく物語。 地図に魅せられ、旅をするのが大好きな与右衛門を差し置いて、浪人の新之助らとともに蝦夷に向かった孝兵衛。アイヌの人々から歓待を受けたり、巨大なアメリカの黒船と遭遇したりしながら、商売のタネを見出そうとするがーー。 芥川賞候補作『草筏』に次ぐ、「商店もの」三部作の第2弾。 2023/04/13 発売