フィリピンと兵隊
「火野葦平戦争文学選」全7巻の、第3巻『フィリピンと兵隊』を刊行です。
火野葦平の、アジア・太平洋戦争への従軍の中では、中国戦線につづく戦場の記録です。「土と兵隊」「麦と兵隊」などの著作と同様に、このフィリピンでも著者は「兵隊目線」から戦場の出来事を淡々と記録しています。
1941年、日本軍の侵攻に対しフィリピン人は、宗主国アメリカと共同して日本軍に抵抗し戦います。また、アジア・太平洋戦争の戦時中も、激しいゲリラとなって占領に抵抗します。この日本軍へのゲリラ的抵抗、そしてフィリピンにおける日本軍占領の実態は、今日まであまり伝えられていません。火野葦平は、作家の目からこの占領の実態まで抉り出します。さらに、フィリピンで有名なあの「日本軍人肉事件」も。
そういう意味では、この火野葦平の戦争の記録は、貴重な歴史を伝える役目も果たしています。
兵隊の地図 5
木の葉虫 127
鎖と骸骨 139
白 宮 殿 185
編集部解説 202